《堤防釣りの仕掛け》泳がせ仕掛けで、アオリイカを釣ろう!

アオリイカ

季節が秋から冬に変わると、アオリイカ(ミズイカ、モイカ)がエギングには全く反応を示さなくなったのに、隣の泳がせ釣りには、大型のアオリイカがヒットしているなんて場面を経験したことはありませんか?

アオリイカがエギングに反応しなくなるのは海水温の低下エギにスレてしまうなどが原因として考えられますが、アオリイカの泳がせ釣りは冬場のそんな状況にも効力を発揮する理由があります。

今回は泳がせ釣りのメリットと、仕掛けを詳しく解説します。

アオリイカ、アジの泳がせ仕掛け

泳がせ釣りの時期

アオリイカ、ケンサキイカなど
時期春から冬にアオリイカ、夏にケンサキイカ
場所堤防、岸壁、磯周り

アオリイカを泳がせ釣りで狙う最適期は、初冬から春です。
夏は大型の一発がある地域もありますが、個体数が圧倒的に少ないので、釣果を期待できません。
秋はアオリイカの個体数が多いものの新子の時期であることからアオリイカの型が小さすぎて、泳がせ釣りのハリに掛りません。
一般的にアオリイカの平均サイズが500gを超える初冬あたりから、泳がせで狙う釣り人が海辺にとても多くなります。

アオリイカ泳がせ仕掛け

糸と金具を結ぶ、ユニノットの結び方

泳がせ釣りの竿

竿が硬すぎると、アオリイカとのやり取りの途中でバレやすくなります。
その反面、竿が柔すぎると、仕掛けの投入時のバランスが悪くなって、飛距離を稼げません。

以上のことから、アオリイカとのやり取りや仕掛けの投入のバランスのよい竿は1.5〜2号程度だと考えます。
竿の長さについては4.5〜5m程度がよいでしょう。

泳がせ釣りのリール

3000〜4000番程度のスピニングリールがよいでしょう。
また、ドラグ性能がきちんとしているスピニングリールを選びましょう(ダイワ、シマノで8千円以上のものだと安心です)。

予算に余裕があれば、リアドラグ付きのアオリイカ釣り専用リールがオススメです。

竿やリールなどのほかに、アジの活かしバケツは必需品です。
エアポンプがセットでき、移動時にも便利です。

泳がせ仕掛けのメリット

泳がせ釣りでアオリイカを狙うのは仕掛けが面倒だし、何よりも活きたアジを確保しないといけないのでなにかと大変です。

仕掛けがシンプルなエギングで狙う方が楽なのですが、泳がせ釣りにはその手間に価する大きなメリットがあります。

低海水温期に食いがよい

海水温が18度を切る頃から、エギへのアオリイカの反応が悪くなります(地域差あり)。
そんな時でも比較的アオリイカが釣れるのが、泳がせ仕掛けです。

海水温が下がるとアオリイカは不思議と、活きたエサにしか反応を示さなくなる習性があります。
また、秋からエギにスレてしまったアオリイカが多いことも要因のひとつです。

●決まった場所を安定して狙える

海水温が下がると、アオリイカがエギを追う範囲が狭くなります。

暖かい時期は深場でエギをロックオンして浅場まで追っていたアオリイカが、寒い時期にはエギを追うのは限られた範囲だけになるのです。

そのため、アオリイカの追い気のある狭い一定の範囲に長くエサを留めておくことのできる泳がせ釣りに軍配が上がるようになります。

アオリイカの釣り方

●まずはアオリイカのいるタナを設定

夜釣りでの、外灯周りの明暗部や駆け上がりなど、海中に変化のあるポイントでは、冬場でもエサとなる小魚が浮いてきやすく、それに伴ってアオリイカも浅場にいることがあります。

逆に水深のある沖目ポイントを狙う際は、浅い棚からスタートしても、底付近からタナ取りしても、アタリがなければウキ止めをずらしてアオリイカがいる層を細目に探りましょう。

満月などで海面が明るく照らされている場合は、水深のある沖でもアオリイカが浮いている可能性があります。

●仕掛けを投入

仕掛けを投入する際は、着水と同時に活き餌と仕掛けがタナまで遊動し、絡まっていないかを確認しましょう。

また、風や潮流などでウキまでの道糸が流されてしまった場合は、アワセが効かなくなってしまう要因となりますので、ラインメンディングが大切です。

堤防などで周囲に他の釣り人がいる際は、流し過ぎに注意が必要です。

●アタリがあったら慌てずに、アワセる準備を

アオリイカが周辺にいると、活き餌に「前アタリ」が出ます。
今まで設定していたタナ付近でジッとしていた活き餌が、急にウキを引いて潜りだしたり、逆に元気に泳いでいた活き餌がピタッと動かなくなったりします。

そんなときは近くにアオリイカがいる場合があるので、置き竿にしていたり、ラインが出過ぎてしまっている時は、竿を持ってラインメンディングするなど、アワセを入れる準備をしておくことが大切です。

●取り込み

やりとりはポンピングなどせず、ゆっくり巻きながらアオリイカを寄せます。
アオリイカが走る時は、ドラグ調整し竿がのされないよう注意してください。

取り込みは、アオリイカが小さくてもギャフやタモ網を準備しておきましょう。

慣れない間は跳ね上げ、熟練者はハリス式

アオリイカ仕掛けは、跳ね上げ式とハリス式に大別されます。

●向こう合わせの跳ね上げ式

跳ね上げ式は、ハリ周りがステンレスなどのスティックを使用しています。この仕掛けのメリットは、アオリイカがエサを抱いて泳ぎ始めた時に、テコの原理でスティックが跳ね上がって向こう合わせでフッキングすることです。

初心者にも乗せやすく、とても便利な仕掛けですが、アオリイカの視界のよく効く日中や、スレが進行している時にはアタリが少ないデメリットがあります。

●イカの乗りが良いハリス式(ブラブラ式)

ハリ周りにハリスを使用しているので、跳ね上げ式に比べると仕掛けのシルエットが出ないのでアオリイカの警戒心が下がります。

仕掛けが軽いので活きエサの泳ぎがよくなり、長く持ちます。警戒心の面でさらに言えば、熟練者ほど、アオリイカの大きさを問わず、SやSSなどのイカリ針のサイズを選び、また仕掛けハリスも細くします。

デメリットは、初心者や入門者の方には、アワセがやや難しいことです。

ブラブラ式仕掛けの、あわせのコツ

跳ね上げ式に比べて、ややアワセが難しいのが鼻カンからイカリ針までの間がフリーのブラブラ式です。何回もアタリがあるのに、アオリイカが針に乗らないので苦手意識がある方も多いと思います。

ただ、厳寒期や仕掛けにスレてしまったアオリイカのアタリの確率が高いのは確実に、小針のブラブラ式です。

試してほしいのが、合わせを入れる際の竿の角度を、真上にあおることです。

堤防でアオリイカ釣りをしていると、みなさん意外とアオリイカが走った方向と真逆に竿を寝かせたままアワセを入れている方が多い様に感じます。

縦に竿をあおってアワセを入れると、活き餌を抱いたアオリイカが縦向きになりやすく、針に乗りやすくなります。

浅い棚で活き餌を抱いて横に走る場合は、しっかりラインメンディングしてから試してみて下さい。

アオリイカの泳がせ釣りにオススメのアイテム