釣った魚を神経締めする効果と、おすすめのツールを紹介

仕掛け、タックル
釣りあげた魚をそのままクーラーボックスに入れる方、意外と多いのではないでしょうか?
クーラーボックスの氷で冷やしておけば大丈夫…、それも間違いではありませんが、より鮮度を長く保って美味しく食べるための方法として、神経締めという締め方があります。
魚は釣りあげたあとの死後、そのままにしておくとすぐに死後硬直がはじまります。
完全に死後硬直が終わると腐敗していくのですが、神経締めはこれらを遅らせる効果的な手段です。神経締めをするとどうして鮮度を保つことができるのでしょうか。
神経締めの効果と手順を、おすすめのツールとともに解説します。

釣った魚に神経締めをする効果と、おすすめのツールを紹介

釣った魚は死後、どのように変化していく?

釣った魚は、死後すぐに筋肉のエネルギー源ATP(アデノシン三リン酸)の供給が絶たれ、死後硬直が始まります。さらに完全に死後硬直したあと腐敗していきます。
実は死後硬直が完全に終わるまで身は活きている状態に近く、鮮度も保たれています。

神経締めをすると、どうして鮮度が保たれるの?

神経締めツールを使って、脳及び延髄を破壊します。これによって、死後硬直を促す信号がストップされ脳死状態となるのです。
死後硬直が進行する前に延髄と中枢神経を破壊すれば、神経を麻痺させることができ、
死後硬直を遅らせることができますここに鮮度が保たれる理由があるのです。

つまり、死んだと魚に認識させないようにすることで硬直を遅らせることができます。

体内のATPは、イノシン酸などのうま味の元となる物質に分解されるのですが、神経締めをすると魚が暴れることなく、ATPの消費も防ぐことができるのです。
また、暴れることによって乳酸などの疲労物質が蓄積し味を劣化させるのを防ぐという役割も担っています。

神経締めの手順

●まずはしっかりと血抜きする
微生物の繁殖が起こりやすい血液を抜くことで魚の鮮度をより保つ事ができます。
エラの内部から脊髄に向かってナイフを入れ、尻尾の付け根も同様に骨を絶つようナイフを入れて下さい。
その後、海水や流水で流すことで、より血抜きが促されます。

●神経締めを施す
目と目の間の延髄に専用のツールを差し込みます。その挿し込んだ穴から神経締めワイヤーなどのツールを奥まで入れ神経締めの完了です。
神経が分からない場合は、包丁で頭を落とし、脊髄の上部にある神経を目で確認して行う方法もあります。

●しっかりと冷やす
神経締めを施した後は、塩氷(海水に氷を入れたもの)などで冷やして持ち帰りましょう。

神経締めは、あくまでも鮮度を保つため

釣った魚を釣った直後に食べるのは困難です。遠征や夜釣りなどで釣った魚はなおさらですよね。
神経締めを施した魚は、そのまま何もせずに持って帰った魚と比べると鮮度が良い状態を長時間保つ事ができます。
これは、神経締めをした魚の方が美味しいという意味ではなく、神経締めを施すことによって鮮度が保たれる期間が長くなるという意味です。
実は、釣った直後よりも一日寝かせた方が魚は旨み成分が増えるため美味しいとされていますので、美味しく食べるために神経締めはより効果的と言えます。

おすすめの神経締めツール

ルミカ 神経締めセット
ルミカ 神経締めセット A20240 (hd-106421)
錆に強いステンレス製ワイヤー採用。持ちやすいグリップ付き。
硬い頭蓋を貫通させて脊髄までの誘導穴を作ることのできるニードル付き。根魚などのエア抜きとしても使えます。

吉見製作所 鮮度たもつ君

吉見製作所 形状記憶合金神経絞め 鮮度たもつ君ミニ アジメバル用 0.5-23cm
しなやかな形状記憶合金超弾性材で、曲がり癖が付き難く長寿命です。
丸めて持ち運びも可能。線材がストレートなので、簡単に汚れを洗い落せます。
海水に付けても錆びないチタン・ニッケル合金素材
鮮度のよい魚が食べられるのは釣り人の特権です。
せっかくなら美味しく食べられるよう、ひと手間かけて神経締めに挑戦してみてください。