ハリは唯一、魚に接する道具です。
そのため、グレ釣りではハリのちょっとした違いで、天と地ほどの釣果の差が出ることがよくあります。
そこで今回は、食い渋り時のグレバリの選び方を解説します。
【磯のグレ釣り中級者向けテクニック】食い渋り時のグレバリの選び方とは?
ハリの部位の説明
ハリの色
近年のグレバリのカラーの主流は黒、オキアミカラー。
どちらのハリもエサがズレてハリの一部がむき出しになった時に、目立たないことから、広く使われています。
オキアミカラーは歯のある魚がエサをかじれば歯形がつくので、エサ盗りの種類を推測できます。
ただし、塗装されている分だけ、黒いハリよりも若干刺さりが悪くなります。
ほんのわずかな刺さりの差ですが、この差を大きく感じるグレ師も少なくありません。
金や銀のハリは、エサがズレた時に目立つことから、使用を避ける傾向があります。
軸の太さ
ハリの軸の太さは、強度を決定づけます。
ハリの軸が太ければ曲がったり折れたりする危険が少なくなります。
ただし、軸の太いハリにはデメリットがあります。
それは、グレの食いが渋くなることです。
そのため通常のグレ釣りでは、大型グレが高活性、もしくはオナガやマダイの一発を獲りたい時以外は太軸を使用することはありません。
一般的なグレ釣りでは中軸を基本とし、食いが渋い時に細軸を使用します。
そのため、グレが居るのに食わなかったり、アタリがあっても食い込まない時に、同じ号数のハリで軸だけサイズダウンさせて狙うスキルが、グレ釣り師の間で定着しています。
軸の長さ
軸が長いと糸を結びやすかったり、エサにハリを刺しやすかったり、魚に掛かったハリを外しやすいなど、操作性がよくなります。
軸が短いと操作性が落ちますが、短い分だけ重量が軽くなるのと、エサのシルエットが小さくなることから。グレの食いがよくなる傾向があります。
ミミ(チモト)
グレがサシエを吸い込んだ時にミミが大きいと、違和感を感じて吐き出すことがあります。
そのため、グレバリは小さなミミが定着しています。
糸がスっぽ抜けやすくなるといったデメリットもありますが、2号までのハリスであれば、あまり気にする必要はないでしょう。
フトコロ
フトコロの幅
フトコロが広いほど掛かりがよい。ただし、バレやすい。
フトコロが狭いほどバレ難い。ただし、掛かり難い。
フトコロの深さ
フトコロが深いほどバレ難い。ただし、掛かり難い。
フトコロが浅いほど掛かりがよい。ただし、バレやすい。
カエシの有無
カエシ有り
ハリが抜け難い
カエシ無し
ハリの刺さりがよい。
釣った魚のハリを外しやすいので、手返しが速くなる。
衣服に引っ掛かっても、簡単に外れる。
近年のグレ釣りでは、カエシの無いハリを使用することが多いようです。
ハリ先
ハリ先は外に向かっているほど掛かりやすく、内に向かうほど掛かりにくくなります。
その反面、外に向かっているほど外れやすく、内に向かうほど外れ難い傾向があります。
それに加えて、内向きのハリは、口周りに掛かりやすいので、オナガなどの歯のある魚を狙う時にとても有利です。
※ハリを飲まれたら、ハリスが歯によって切断されるため。
ハリが折れる原因は?
グレ釣りでちょくちょく耳にするトラブルが、ハリが折れたり、伸びたりすることです。
その原因は、ハリが不良品だからと思いますか?
それとも、元々の品質に問題があると思いますか?
個人的には、そういったトラブルの大半が、ハリのせいではないと思っています。
その原因は、釣り人のスタイルによるものだと推測しています。
ハリが折れたり、伸びたりするのは、ハリの掛かりが浅いからではないでしょうか?
ハリ先だけ浅く掛かっている状態でのヤリトリは、ハリの一部分だけに集中して力が加わります。
そういった意味では、沈め釣りなどの向こうアワセのスタイルでグレを狙う釣り師に、ハリのトラブルが多いと感じています。
アワセを入れるタイプの釣り師は、比較的ハリのフトコロまでしっかり刺さった状態でヤリトリをするので、トラブルが少ないようです。
※あくまで、主観ですが…。もちろん、細い短軸はトラブルが多いです。その分だけ、食いがよいのは間違いありません。
まとめ
私のホームグランドは最盛期は30〜35㎝級主体、最大で45〜48㎝級、冬場はオナガが出ることは滅多にないので、比較的細軸のハリがメイン、食いが渋いと感じたら迷わず細い短軸を使っています。
太軸を使うのは夏場から秋、オナガの出るような釣り場で竿出しするときだけです。
グレの食いを見てまずは細軸、それでも食い込みが渋ければ細い短軸を選ぶようにしましょう。
状況に応じてハリを使い分け、納得のいくグレ釣りを楽しみましょう!!!