鮎釣りはシーズンは一言で言ってしまえば夏ですが、解禁日からシーズンの終わりまでの間に、解禁初期、雨の多い梅雨、渇水期、終盤と、
シーズンを区切って分ける事ができます。それぞれの傾向に対して、釣り方やポイントなど知っておけば釣果に差が出る対策が分かります。
今回は、鮎シーズンを区切ってその時の鮎の傾向と、釣果に繋がる対策を解説します。
《鮎釣り初心者の疑問》鮎釣りの時期、傾向と対策を教えて
シーズン解禁直後 5月~6月
例年5月1日、全国で最も早く解禁となるのが和歌山県有田川です。その後、5月中旬から~遅くても7月中には全国各河川で解禁日を迎えます。
解禁初期は朝晩の気温もまだ低く、地域によっては10℃を下回ることもあります。
鮎は水温の変化に敏感なので、縄張り意識が高い状態で苔を食べるのに適した水温にならないと、活発にオトリ追ってこない時期とも言えます。
日中と朝晩の気温の変化が大きい地域の河川や人口産の放流鮎が多い河川ほど、朝の低水温時に追いが悪い傾向が強いです。
また低水温時は、鮎が群れて固まりになって泳いでいることも多いので、極端に深くないトロ場や、瀬肩、瀬落ち~開きなど、流速の遅い所がポイントとなります。
そのようなポイントに群れている鮎は、泳がせ釣りで上手く群れに馴染ませる釣り方が基本です。一緒に泳がせて引っかけるようなイメージで釣ってみて下さい。
日が高くなり水温が上がるまでの間に、効率よく群れ鮎を掛けることができれば一日の総釣果数も上がります。またお昼~夕方にかけて、活性の高くなった追い気のある鮎にシフトチェンジすることも大切です。
梅雨時期 6月中旬~7月中旬
必ず平水時の水量を目安とし、極端に増水している場合はたとえ濁っていなくても川には近づかないようにしましょう。
支流や上流域は石のサイズが大きいため、増水時でも石裏に苔が残り易く、増水直後でも友釣りができる可能性が高くなります。
また増水後、水位が落ちるとともに石に苔が付き始める「引き水」は、それまでご飯が食べられない状況にあった鮎の活性が高くなり、思わぬ入れ掛りに遭遇できるチャンスです。
流心よりも水深の浅いへチから苔が付き始めるので、いきなり立ち込むのではなく手前から丁寧に探ってみましょう。
国土交通省のホームページから各河川の水位情報が確認できますので、どの程度の増水か、引き水の際の目安にしたりと活用することもできます。
渇水・高水温時期 8月~9月
梅雨が終わり真夏日が続くようになると、川の水位は低くなりがちです。
水量が減るとその分水温も上がり易く、浅いポイントはとくに高水温となります。
その場合、暑いと動きたくなくなるのは鮎も人間も一緒で、活性が低くなります。
このような時、鮎は水深のある淵やトロ場にいることが多くなります。水温が安定して低いポイントを探すことが釣果アップに繋がるキーポイントです。
淵やトロ場のほか、支流の流れ込みや合流点、近年では発電所の放水口付近などがあげられます。
<オーランド 鮎かん角 12L>
また、高水温時はオトリの管理にも注意が必要です。ポイントに到着しオトリを川に浸ける際には必ず水合わせをしましょう。
オトリ缶の中の水温と川の水の水温に差があると、浸けた瞬間オトリが全滅なんてことは珍しくありません。
オトリ缶の上蓋を取って、川の水を手で掬い入れながら時間をかけて徐々に慣らし、同じくらいになったら浸けて下さい。
シーズン終盤 9月中旬~10月
鮎釣りシーズンも終盤を迎えると、鮎も盛期のように縄張りだけを意識しなくなります。
個体によって差がありますが、産卵を間近にむかえた鮎は体力の消耗を抑えるため付き場が変わります。
とくにメスは、ガンガン流れる瀬よりも、流れが緩やかなポイントを好み、時間帯によって活性の高低差が出てきます。
この時期になると、上流域にいた鮎は河口目指して下りはじめ、極端に石色が良いポイントと悪いポイントで見分けがつきやすくなるのも特徴です。
また水面を跳ねながら群れをなして下る、落ち鮎独特の「まわし」という現象も見られるようになりますが、オトリを入れても掛からないことが多いので、粘らないように見切りを付けましょう。
逆に上流域に鮎は薄くなりますが、まだ産卵を意識していない若い鮎が残っていれば縄張り意識を持っている可能性が高く、盛期の様な友釣りが成立することもあります。
鮎の付き場に一番変化があり、昨日はよく釣れたのに、翌日にはまったくいないという場合もある時期です。