メバリングに必要なロッド要素を頭に入れ、いざロッドを購入しようと検討しても、各メーカーから多くのラインナップがあり、どれを選んだらよいのか迷うかと思います。
これからメバリングデビューする入門者の方や、経験の浅い初心者アングラーの方に向けてロッドを購入する前に知っておくべき、メバリングロッドの構造と素材について解説します。
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どんなロッドを購入したらよい?知っておくべきメバリングロッドの構造や素材
ルアーを使用するメバル釣りを一般的にメバリングと呼んでいます。メバリングはエギングの様な激しいロッドアクションは必要なく、ナイトゲームが中心です。
キャストからスローなリトリーブで一定レンジを攻めアタリを取る事が多い釣りです。メバルの小さなアタリを取る為、また軽量ルアーを安定してキャストできる、繊細で高感度な穂先(ティップ)を搭載したロッドが釣果を左右すると言っても過言ではありません。
メバリングに必要な要素を頭に入れながら、いざロッドを購入しようと思っても各社から多くのラインナップがあり、どれを選んだらよいのか迷うと思います。
先述しておくと、ピンからキリまでラインナップされているメバリングロッドの主な差は、「ロッドに用いられているカーボン素材の密度の差」、「ロッド構造による差」、「ガイド素材の差」と「ロッドの塗装や装飾」の違いによるものと考えて下さい。
ここに挙げた4つの差について、もう少し踏み込んでそれぞれの違いについて解説します。
ロッドに用いられるカーボン素材
一般的にメバリングロッドの素材は「カーボン」が採用されています。
カーボンはロッド自体の軽量化やロッドの剛性と張りの強化が目的とされ、高価なロッドになればなるほど高弾性のカーボン素材が使用されています。
シマノ社を例に挙げると、従来使用していたカーボン素材と比較して、高強化カーボン素材「Cl4」があります。Cl4は、さらなる軽量化と高い強度を備えているカーボンです。
シマノ社には、さらに「Cl4」より進化させた「Cl4+」と呼んでいる軽量カーボン強化素材を開発。軽量と高い強度は勿論のこと、ロッドの感度と操作性をも向上させています。
このように、高弾性カーボン素材は、各社で開発が進められ、価格に比例して構造に差があります。
高弾性カーボンとは、カーボン繊維を束ねる樹脂が従来と比較して軽量で、カーボン繊維の高い密度と無駄な樹脂(レジンと言う)が少ない関係性(シマノ社ではマッスルカーボンと呼んでいます)のことを言います。
高弾性カーボンをメバリングロッドに採用することによって、より軽量化され、より強い剛性と張りのあるロッドできます。そのことにより、軽量なのに高強度で高感度などのメリットがあることはお分かりといただけたと思います。
シマノ社の他にもダイワ社では、高弾性カーボン素材を「カーボンテクノロジー」と総称して、数種類のカーボン素材をメバリングロッドにラインナップさせています。
ロッドの構造
高性能なロッドは、構造自体に手が込んでいて、より複雑な構造で難しい製法によって作られています。
ロッドのねじれを抑え込む強化を図っていたり、ブランクの繊維方向を変えてネジリ剛性を高めたりと、凝らされている工夫は各社それぞれ独自の構造です。
また、メバリングで重要な穂先は、しなやかさと高感度を兼ね備えた技術が採用されています。
例えばシマノ社では、「スパイラルX」、「ハイパワーX」という構造でロッド性能を向上させ、「タフテックα」、「ソフチューブトップ」という穂先は、しなやかさや高感度を実現しています。
ガイド素材
ガイドは、構造上フレームとリングが組となってできています。
ガイドフレームの素材は、主にチタン、ステンレスが使用されていますが、価格の高いロッドにはカーボン素材やチタンを、比較的安価なロッドにはステンレスが使用される傾向があります。
最近では糸絡みを防止するチタン製フレームの「Kガイド」や、上位モデルでは更に糸絡みの激減や、ラインの振り抜け感を向上させる「Xガイド」と呼ばれるものがあります。
ガイドリングの素材は、トルザイトリングと呼ばれる素材が最も高価で、次いで現在主流とも言われているSICが採用されています。その他に、チタンリングもあります。リングについては、だいたいどのクラスのロッドにもSICかチタンリングが使用されています。
塗装や装飾
一般的にシックなデザインで工夫が凝らされている塗装やきらびやかな塗装は、上位モデルに見受けられる特徴と言えます。デザイン装飾をあまり気にしない方は、特にこの点について意識しなくてもよいでしょう。
メバリングロッドの選び方
さて、メバリングロッドの選び方ですが、これまでに触れてきた各社のテクノロジーが集約されたロッドであれば当然ながら、価格は高価になります。しかし、高価であればメバルが釣れるかというとそうではありません。
メバリング入門者がロッドを選ぶ時、とくに着目すべき点は、①ティップ、②ガイドフレームの2点です。
①ティップには、ソリッドタイプとチューブラータイプの2種類
ソリッドはしなやかさがあり、魚に違和感を与えにくい特徴があります。対してチューブラーは適度な張りがあり、感度がよいのが特徴です。
入門者はソリッドタイプが扱いやすく、また魚がヒットしてもバレにくいのでおすすめです。
②ガイドフレームは、糸絡みを軽減できるガイド設計を選ぶ
ガイドフレームは、糸絡みを回避できるガイド設計のKガイド、またはXガイドが搭載されている製品を選びましょう。
その他、ロッドの長さは7~8ft前後、ルアー重量が6g程度までが投げられて、ロッド硬度が柔らかめの「L」表示、そして多少なりとも自重の軽量化が図られたロッドが操作性含めて扱いやすいと思います。
それでは以下に、メバリングにおすすめのロッドをご紹介します。
第1位 シマノ ソアレBB S706ULS
ソリッドティップのソアレBB S706ULSは、張りのある高感度な穂先で柔軟にメバルを乗せる優れもの。軽量なジグによる喰わせ重視の釣りを得意とするロッドで、入門者にとって扱いやすく、デザインがシックで高級感も感じられます。メバリングの入門として自信を持っておすすめします。
第2位 ダイワ メバリングⅩ 74UL-S
ブランクの外層をカーボンテープでX状に締め上げてネジレを抑えるダイワ社独自の技術「ブレーディングX」が採用された、パフォーマンスの高いメバリング専用ロッド。
ティップはソリッドタイプで、王道のメバル調子。自重は108gと軽量で、価格帯も安価と非常にコストパフォーマンスに優れたモデルです。
第3位 ダイワ 月下美人76UL-S
ソリッドティップの喰い込み性能とロングキャスティング性能の両面を兼ね備えたダイワ屈指の月下美人。ソリッドティップがショートバイトも弾かずしっかりとフッキング。ジグヘッドリグに最も適合したモデルで、自重は僅か92gとこのクラスでは最大の軽量化が図られた入門者に扱いやすいロッドとなっています。
筆者も愛用しているロッドで、どのアングラーにも是非おすすめしたい信頼性抜群の1本です。
第4位 メジャークラフト クロステージCROSTAGE CRK-S762M
コストパフォーマンスに優れた数々のロッドを送り出してきたメジャークラフト社からメバル専用のロッドとして更に進化したクロステージを発売。糸絡みを軽減させるKガイドを搭載し、快適な操作性を実現。パワー、軽さ、粘りなど総合的にバランスのとれたブランク設計で、アングラーのテクニックに幅広く対応できるモデルとなっています。
第5位 シマノ ソアレ Cl4+ S706ULS
筆者が愛用するシマノ社のハイエンドモデル「ソアレCl4+」は、ハイエンドモデルだけあって価格は高額ですが、メバリングに必要なシマノ社の高い技術が全て集約されている信頼の厚いロッドです。予算が許されるのであれば、是非とも手に取ってその素晴らしさを実感してほしい製品です。
軽く、強くて、好感度、操作性抜群の進化の最先端を行く、まさにメバリングのためのロッドです。
まとめ
ここでは、筆者おすすめのメバリングロッドをご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか?
メバリングは喰わせるか、掛けるかの2パターンの釣りを楽しむゲームとして知られていますが、ソリッドタイプのロッドを使用してスローリトリーブで喰わせるのが主流です。メバリング入門者の方は、ソリッドティップのロッドを購入することをおすすめします。
メバリングロッドは数多く発売されていますが、最初に選ぶ1本として、極端に高額なハイエンドモデルは必要ないと思っています。実際筆者も1万円前後ロッドを使い分けながら、十分釣果を上げることができています。
購入前には、ロッドを手に取ってフィーリングを確かめることが最も大切です。自分に合った1本を見つけて、メバリングを楽しみましょう。