刺さり込み重視のタイラバフックや、触れ掛かり必須の鮎の友釣り、少ない力で確実なフッキングが理想のジギングなど、
あらゆるルアーフックに最新のコーティング技術が施されています。
今回は、針に施されている最新のコーティングを、メーカー別の製品情報をもとに解説します。
【道具の知識】メーカー別、針のフッ素コーティングについて教えて
ダイワ SaqSas (サクサス)
フライパンなど調理器具に施されているフッ素メッキ加工を釣り針に。
これまでの釣り針は鉄にブラックニッケルメッキを施したものがほとんどで、防錆のための加工というのが理由の大半をしめていました。
コーティングをしていない研磨しただけの針は、いくら刺さりが良くても錆びてしまうのです。
サクサスはこのブラックニッケルメッキの代わりに、フッ素メッキ加工したものです。フライパンのフッ素加工を思い浮かべれば、スムーズに刺さり込むイメージは容易ですよね。
さらにメッキ加工に比べ、フッ素コーティングは針自体への馴染みが良く、コーティングが薄付きで針先の鋭さを損なわないのも特徴です。
貫通力のアップはもちろん、刺さり性能は従来比の40%アップというから驚きです。
かまかつ NANO SMOOSH COAT (ナノスムースコート)
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を複合表面処理加工した針。
従来、単体で行われていたメッキ加工と塗装の表面処理を融合し、機能性に優れた表面処理を実現したものです。それぞれの利点を組み合わせることによって、よりパワーアップした表面処理皮膜が生まれます。
発見されている最も摩擦抵抗の少ない物質で、これもいわゆるフッ素樹脂コート加工です。フッ素加工のメリットである摩擦抵抗の減少と貫通力、強い撥水性能を誇っています。
【がまかつ(Gamakatsu) トレブルSP-M(ナノスムースコート) #12.】
シマノ FF (フッ素フィニッシュ)
他メーカー同様、フッ素コーティング加工された針で、「小さな刺さり力」でも「刺さり距離が長い」とされています。先に説明した他メーカーと同様の特徴を兼ね備えていると言っていいでしょう。
例えば鮎釣りでは、針に触れただけでも掛かる「小さな刺さり力」が必要とされているし、真鯛や青物などは、大物になればなるほど「刺さり力の長い」=貫通力が必要になります。
オーナーばり 刺牙ポイント
防錆力をもつ鉄表面の酸化鉄被膜を施したうえ、さらに特殊研磨し、より鋭い針先に加工したのが刺牙ポイントです。
他メーカーフッ素加工で貫通力を上げているのに対し、刺牙ポイントは針先の鋭さに着目しているのが特徴です。(オーナーばりからは、もちろんフッ素コーティング針も発売されています。)
さらに今年、研ぎたての針先に密着力の高い塗料のみを手作業で着色を施したノンメッキの鮎針も新発売されました。